かなり楽しく歌います

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【出雲の夕景】





湯気     山之口 獏

白いのらしいが
いつのまに
こんなところにまでまぎれ込んで来たのやら
股間をのぞいてふとおもったのだ
洗い終わってもう一度のぞいてみると
ひそんでいるのは正に
白いちぢれ毛なんだ
ぼくは知らぬふりをして
おもむろにまた
湯にひたり
首だけをのこして
めをつむった


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テーマ:詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など - ジャンル:学問・文化・芸術
前回、大変 反響(コメントやことづてなどで)をいただいた、
山之口獏(正式表記は 獣編の獏)さんの平和への想いを
つづられた詩をご紹介させてください。



『雲の上』    山之口 獏

たった一つの地球なのに
いろんな文明がひしめき合い
寄ってたかって血染めにしては
つまらぬ灰などをふりまいているのだが
自然の意志に逆らってまでも
自滅を企てるのが文明なのか
なにしろ数ある国なので
もしも一つの地球に異議があるならば
国の数でもなくする仕組みの
はだかみたいな普遍の思想を発明し
あめりかでもなければ
それんでもない
にっぽんでもなければどこでもなくて
どこの国も互に肌をすり寄せて
地球を抱いて生きるのだ
なにしろ地球がたった一つなのだ
もしも生きるには邪魔なほど
数ある国に異議があるならば
生きる道を拓くのが文明で
地球に替るそれぞれの自然を発明し
夜ともなれば月や星みたいに
あれがにっぽん
それがそれん
こっちがあめりかという風にだ
宇宙のどこからでも指さされては
まばたきしたり
照ったりするのだ
いかにも宇宙の主みたいなことを云い
かれはそこで腰をあげたのだが
もういちど下をのぞいてから
かぶった灰をはたきながら
雲を踏んで行ったのだ



テーマ: - ジャンル:小説・文学
歌を歌っていると、英詩の朗読も 勉強のうちだと思って、
出来るだけ時間を作って、詩の鑑賞をしているんだけど、
よく考えて見れば、日本語の詩は、学校の教科書に掲載されているものくらいしか、
読んだ事がなく、その時も 学校での "勉強" としてだったので、
内容と本気で捉える(というか じっくり 鑑賞する)気なんて さらさらなくて、
「んー、どこが 良いのだろう???」「興味ねぇーよ!」という感じだったのだけど、
今思い返せば、本当に 勿体無い話で、もう少し きちんと 読んでおけばよかったなーと、
今頃になって、その機会を 逃した事を悔やんでいる。

日本の詩に 興味を持つきっかけとなったのは、
アメリカで 日本語に飢えていた頃、小説や本を読みまくったのだけど、
その時に、何かの本で 紹介されていた 山之口獏(獣編の獏が正式表記)さんの
「ねずみ」という 詩だった。

それまでの詩のイメージとしては、「ああ、○○よ。××しておくれ。」みたいな
頭の中にお花畑的なもので、社会の底辺を フラフラと漂っている
吹けば飛ぶような自分にとっては、現実離れしているよなー、と
あまり好きになれなかったのだけど、その「ねずみ」という詩は、
その情景が 物凄く ビビットに描かれていて、こんな詩もあるんだと、ショックを受けた。

というわけで、その「ねずみ」を ご紹介したいと思います。
というか、横書きで紹介するのも どうかと・・・ ずーっと、迷っていたのですが、
まぁ、こういうきっかけでもなければ きっと 紹介することもないでしょうから。
これからも 時折、ご紹介できればと 思っています。



ねずみ          山之口獏


生死の生をほっぽリ出して
ねずみが一匹浮彫みたいに
往来のまんかなにもりあがっていた
まもなくねずみはひらたくなった
いろんな
車輪が
すべって来ては
あいろんみたいにねずみをのした
ねずみはだんだんひらたくなった
ひらたくなるにしたがって
ねずみは
ねずみ一匹の
ねずみでもなければ一匹でもなくなって
その死の影すら消え果た
ある日 往来に出て見ると
ひらたい物が一枚
陽にたたかれて反っていた

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